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怪奇小話★異郷の空
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蠍座とハロウィン

蠍座の支配星は火星と冥王星。ナチュラルハウス(ホロスコープ12の境界線)は、※第8室。そして、キイワードは死と再生を繰り返す自然界における「永遠不滅の力」。
 この力(再生)の中心点は;デメテルの娘ペルセフォネーが、水仙の花を摘んでいたところ大地がさけて、冥界の大王ハデスに連れ去られた蠍座の十五度(今年は11/8)。

ペルセフォネーの本来の姿は、やがて芽となって成長する胚芽、そして、ハデスは地下に眠る力である。
※古代ローマでは、新年を3月とし、10ヶ月を1年と定めました。
October Octa-ember ラテン語の8の光(太陽光線)
November Nova-Ember ラテン語の残り火~9の光
December Deca-Ember ギリシャ語で10の光


ハロウィン(Hallowe'en, Samhain, Soween, Sowin, Saven)は、万聖節の前夜祭です。正確には※自然界の新年を祝うケルト農民の行事で、暗い冬の訪れを告げる満月(今年は11/5)から、冬至のクリスマスまで祝います。ちなみにケルトの新年(Samhain)は11/1で、古くは大かがり火(聖火)の中に収穫物や動物を奉納し、気まぐれな自然界の神(八百万の神)を鎮め冬支度に入ります。

ローマがケルトを征服した後、ケルトの伝統SamhainとローマのFeraliaの文化が混和され、800年頃にはローマ教皇Boniface IVが11/1を万聖節に指定。それ以来、10/31日を前夜祭(All hallows Eve)、11/1日を天国の聖人を祭る万聖節(All saint's day)、11/2日を死者の霊魂を祈る万霊節(All soul's day)とし、聖人の姿で街を行進し、水に浮かべたリンゴを口にくわえるゲームをして祝います。


※ハロウィン満月~下弦の半月にかけては万物(自然界)の神々を吸い込む、渦動の力が強まります。そして、神々が留守になると、あらゆる悪霊や死人の魂が横行闊歩します。

下弦の半月(今年は11/13日)には、三叉路の女神「ヘカテ」があらわれて旅人が夜の十字路や三叉路で迷わないように月明かりで道案内をしてくれます。何だか村人や旅人の安全を守る日本の「道祖神」と似ていますね。占星術ではこの松明(月明かり)を「知恵」として解釈を加えてます。人々の道理が失われて先行きが暗いときに、松明(先見の明かり)を灯せば不安や迷いから救われるからです。

※ハロウィンと月の位相(10月末~11月)
生贄の月→収穫の月→狂気の月→哀悼の月→霧の月→ビーバーの月(満月)、嵐の月

草木がすっかり枯ればむ陰暦の10月は、国中の神々が出雲に集まる「神無月」。そして、自然界・地上に活気がなくなる11月は、草木が霜枯れする「霜月」が、日本のハロウィンか?





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入学当初は、大学の寮に住んでいたが、夏は暑く、寝苦しい。
その上、タバコの吸殻や食べ物(残り物)など、何でもトイレの中につけてしまうルーミィ(ルームメイト)のおかげで、トイレは年中、逆流していた。

そんなこともあって、新学期がはじまるまでに引越しをしようと、アパートを探すことにした。
条件は学校や駅に近く、環境・治安がよいところ。わがままを言えば「家賃も安くFurnished(家具付)が好ましい」。
あれこれと思いをめぐらせながら、期待に胸をふくらませた。

しかし、現実は厳しかった・・・。
案内された部屋は、どれもこれも数百年の歴史が語る“薄暗く、カビ臭い”部屋ばかりだった。ただ、ここでわがままをいってしまえば、一生みつからないとも思ったので、とりあえず、2,3日中に決めるとのことを伝えた。

部屋探しを始めて5日目ほど経った。もう少し条件を下げれば、ひょっとして見つかるかもしれない。その翌日、再び不動産屋を訪ねた。すると、入口近くのデスクに座っていた彼は、私の顔を見るなり、「家具付のいい部屋が見つかったから、今から案内するよ」と言った。
いい部屋ならば、とりあえずは見てみる価値はある。 
答えはもちろん、OKだ。

交通量が激しいメインストリート(Boylston St.)をダウンタウンに向かって歩くこと10分。建物はその通り沿いにあった。1階は24時間オープンのピザ屋。その隣も※24時間オープンのヘッドショップだ。あまり環境がいいとは言えないが、人通りが激しい分、かえって安全かもしれないと思って、とにかく家具付のアパートを見せてもらうことにした。※ヘッドショップとは煙草、薬草、パイプ、雑貨などが陳列されているマニアックな店
通りに面したドアから中ドアへ入ると、2Aと記されたドアへと直行する階段があった。
ぎしぎし音をたてながら階段を上がった。

廊下の右側はキッチン、バス、ベッドルーム、そして突き当たりはリビングルーム。ベッドルームやキッチンは暗いけど、広々としたリビングは明るく、窓からは路地裏の大きな木が見える。
しかも、ファーニストだから、ダイニングテーブル、ベッド、カウチ(二つ)がついている。
駅や学校まで2ブロック。歩いて10分ほどの距離だ。
「いいかもしれない・・・」。
早速、その日のうちに契約を済ませて、この建物の二階に落ち着くことにした。

路地に枯れ葉が舞う10月も半ばになると、街中の店は、ハロウィンを祝うかぼちゃと黒猫の置物で賑わいを見せている。その年の秋は、インディアンサマー(小春日和)で比較的暖かな日が多かったので、暇さえあれば、フリーダムトレイルやドライブを楽しんだ。
ミッドナイト

転居してから1ヶ月ほど経ったある土曜日の夕方、学生寮のルームメイトだったKと彼女のボーイフレンドSが突然訪ねてきた。
アラバマ(州)出身の二人は、高校時代に出会ったらしく、とても仲がいい。寮にいたときは、竜巻に遭って怖い思いをしたとか、Redneck(地元の人間以外は受け入れない米南部の白人労働者)から、迫害された体験談をよく聞かされた。

その夜は、当時大流行だったモノポリー・ゲームや他人の噂話を肴にピザとビールで秋の宴を楽しんだ。
しばらくして、Kが「ねぇタロットカードか※ウィジャボードをやろうよ」と言い出した。※西洋版コックリさん。「え~タロットカード?このあいだ、ジプシーに占ってもらったばかりじゃない」
「じゃウィジャボードは?」
「というか、今日は疲れたし、そんな気分じゃないから、やめとく。でも、どうしてもやりたければ、二人でやって」とカードを渡し、インディアンサマーといえども、夜はかなり冷え込むから、キルト(上掛け)をかけて、カウチで横になった。
ラジオ(ラジカセ)をWBUR(ジャズ専門の放送局)に合わせ、とてもリラックスした気分になった。

二人はすでに、興奮してきたらしく、声をはずませて、将来について占いはじめた。
きゃあきゃあと笑ったり騒いだり、とにかくにぎやかだ。
そんな彼らのやりとりを聞いているうちに突然、眠気が襲った。
しかし、来客をさしおいて、自分だけ眠るわけにはいかない。
時計は午前00:00をまわっていた。
目を開けなければ、と暗示をかけながら、眠気との葛藤が始まった。

だが、その努力もむなしく、眠りの状態に入っていった。
ただ、意識ははっきりしているので、二人の姿ははっきり見えるし、声も聞こえる。

そのとき、天井の中心に青白い閃光が放たれた。
そのとたん、体が金縛りにあった。
グワン、グワン、グワン……
モーターのように音がうなりを立てて体内を走る。
音は体内を螺旋状に広がっていくようだった。
またなにかが起きる。
そのとき、おなかのあたりになにか大きな物が落ち、強い衝撃を受けた。

びっくりして思わず「あっ・・・」と叫んだ・・・。
「あれ?どうしたんだろう、声にならない・・・。」
叫んだつもりが、声にならなかったのだ。

異次元のざわめきが外界の音を消してしまったかのように静まり返った。
すでに体内から抜け出て天井に張り付いていた。
そうこううろたえているうちに、天井に亀裂が入り、赤い布キレのような物体が裂け目から現れた。
「何だろう?」
と思う間もなく、その布は旋回しながらどんどん大きくなっていった。

恐怖が募った。「苦しい・・・」何だか、胸を締め付けられる感じがした。
そのときだ。
その布が得体の知れない物体に変身し、私をめがけて襲ってきた。

魔物だ!!
口が耳元まで裂けた魔物は、赤いマントを羽織った老婆だった。
その姿、顔に驚き入って我が目を信ずることができなかった。
老婆は斧だか鎌を振り上げて、青白い目を光らせてどんどん迫ってくる。

「これは大変だ。こんな魔物に呑み込まれたくない。」
鎌をもった老婆とのバトルが始まった。
「早く戻らなければ、殺されてしまう。」
だが、体の自由がきかないので、逃げようにも逃げられない。

自分の身体が横たわっているカウチを見下ろした。
しかし、自分の身体が、遠い存在のように思えた。

それでも、何とか身体に戻れることを念じて、力の及ぶ限りの声で「助けて~」と思いっきり叫んでみた。
「駄目だ、少しも声にならない。」
二人は相変わらず、愉快そうに大声で笑っている。
私の異変に気がついていないようだ。
焦りで恐怖はますます高まっていった。

焦れば焦るほど、自分の身体は遠ざかっていく。
再び、老婆は鎌を振り上げた。
今度こそお終まいだ。
「逃げろ!」と、どこからともなく声と鐘を鳴らすが聞こえた。
その瞬間、今度は自分の身体がパッと光った(閃光を放った)。
その音は体全体にわたって響いたが、まもなくすぅっと消えていった。

何が何だかわからないままハッと目が覚めた。
びっしょり汗をかいたらしく、Tシャツが濡れている。
「あ~よかった」
ようやく身体に収まったらしく、安堵の胸をおろした。

今までカードに夢中になっていた二人だが、たった今しがた電話が鳴ったらしく、Sが「ハロー、どなたですか?」を繰り返している。
「こんな夜中に電話をしてくる奴は一体誰だろう?」
「Axxhole !」とブツブツつぶやきながら、受話器を戻している様子だ。

彼女のほうは「誰だったの?」「いたずら電話?」と興味ありげにSにたずねている。
「受話器をとったけど、ダイアルトーン(発信音)だけだったよ!」

私も身を起こして、ゆっくりと彼らが座っているカウチに移った。
そして、なかば放心状態で、自分の身に起こったことを、二人に話した。

彼らは「全く信じられない」という顔つきで、私の話を聞き入ったが、何も見ていない彼らには、何がなんだか全然理解できないようだった。
カードに夢中だったけど、とにかく様子がおかしいとか、特別、変わった様子はなかったといった。

ただ、「逃げろ!」と、いう声と、鐘を鳴らす音を聞いて、目覚めたことを話したとき、
二人とも非常に驚いた様子を見せた。
午前00:00をまわる頃、電話のベルが鳴ったので、確かに受話器をとった。
けれども、相手がすぐに切ってしまったので、電話に出たときは、発信音しか聞こえなかったといっている。
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エソテリック占星術研究家
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以前は音楽家でしたが、西洋占星術と出会って以来、はまっています。
米国占星術協会PMAFA
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