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怪奇小話★異郷の空
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怪奇小話・ポルターガイスト

転居してから、はや二ヶ月半ほど経過した。
そういえば、引っ越してきて以来、ほとんど料理をしていない。
「そろそろ食品や生活必需品のショッピングをしなくては」
メモパッドをもってキッチン備え付けの戸棚を開けた。
するとそこにはペット用の缶詰や豆類の缶詰がぎっしりと並んでいた。

ついでに冷蔵庫も開けてみた。
「ふーん」
Knotts(ノッツ)アップルソースの大瓶・・・。
冷凍室にはTVディナーとGreen Giants (グリーンジャイアンツ) のホウレン草が入っていた。
つい最近まで誰かが暮らしていた雰囲気だ。

そして、キッチンの引き出しを開けた。
「へぇ~。Silver Ware・銀の食器か・・・」
ホテル並みの銀食器が入っていた。
とりあえず、缶詰や冷蔵庫の食べ物は捨ててしまい、
食器だけを使わせてもらうことにした。

1ブロック先のプルデンシャル・センターの1階の
スター・マーケットで日用品や食品のショッピングを済ませ、
その日は、家具の配置換えや部屋の大掃除、ランドリー
などの家事に追われて、あっという間に一日が過ぎていった。

大分疲れたので、そろそろ寝ようかと思い、
午前12時頃、ベッドルームに入った。
北海道の旭川と緯度が同じ、ボストンの夜は冷え込む。
10月末にもなると気温が10度を切るので、
古いアパート全体を温めるためのオイルヒーターが作動する。
アンティークまでとは言わないが、ビンテージものなので、
温度調節が効かなかった。
カンカン、カンカンという音とともに、
ヒーターが、どんどん熱くなっていく。
とにかく毎晩のように繰り返されるので、これには閉口した。

その夜も、あまりの熱さと騒音で、目が覚めてしまった。
水を飲み、再びベッドに入って、ラジオをつけた。
当時、ヒットしていたThe Stylisticsの「I’m stone in love with you」のソプラノボイスの響きに心地よく、
そのままうたた寝をした。

そのうち自分が起きているのか、寝ているのか、わからない感覚になってきた。
すると、電話が鳴った。
「誰だろう。こんな真夜中に・・・」
受話器をとって「Hello」と答えたが、発信音だけしか聞こえない。
「また、例の電話かな・・・」

しばらくするとまた、電話が鳴った。
「いたずら電話かな……」
しかし、電話はそれで終わった。
そして眠りに落ちた。
夜の2時半くらいだろうか、
とつぜん胸の上あたりが強く、押される感覚があった。
首を絞められるような感じである。
起きてみると、汗をかいていた。
「ああ、また金縛りか・・・」と思いながら
ふと気になって視線を部屋の隅にやった。
すると、蒼い光が二つ、並んで浮いていた。
ちょうど風船くらいの大きさだった。
「なんだろう・・・」
しかし、何事も起こらないので、
そのまま寝たのだが、再び
押される感覚に襲われてしまった。
また、目が覚めた。

続く
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エソテリック占星術研究家
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米国占星術協会PMAFA
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